The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[IX-29-15_17] 栄養・飼養(Ⅸ-午後)

Fri. Mar 29, 2019 1:00 PM - 1:30 PM 第IX会場 (8号館8502講義室)

Chairman:Mitsuhiro Furuse(Faculty of Agriculture, Kyushu University)

1:00 PM - 1:10 PM

[IX29-15] イルカ用代用乳創製に向けた基礎的検討 ~イルカ乳と既存代用乳の成分比較~

Kojima Haruka1, Kikuchi Mie1, Okuyama Yasuharu2, kozu Tomokazu3, Ito Takaomi4, Suzuki Miwa5, Kawai Yasushi5, Masuda Tetsuya5 (1.Nihon univercity, 2.Enoshima Aquarium, 3.The Kinosaki marine world, 4.Osaka Aquarium Kaiyukan, 5.Nihon univercity, Bioresource Sciences)

【目的】現在イルカを人工哺育する際,動物用代用乳にサプリメント等を添加して与えているが,死亡例が多い.近年JAZAがイルカの追い込み漁を禁止し,加盟水族館におけるイルカの入手方法は自家繁殖のみとなり,人工哺育の重要性が高まった.本研究では,イルカ用代用乳創製を目指し,既存の動物用代用乳とイルカ乳の成分比較を行った.【方法】水族館で使用されている①水棲哺乳類用,②犬用,③全哺乳類用の3種の代用乳と,飼育頭数が最も多いハンドウイルカ乳の各成分・組成(全固形分含量,カリウム含量,乳糖含量,タンパク質含量,タンパク質組成,脂肪酸組成)を分析した.全固形分含量は直接乾燥法で,カリウム含量はイオンメーターを用いて,乳糖含量は酵素法で,タンパク質含量は色素結合法で測定した.タンパク質組成はSDS-PAGEで,脂肪酸組成はガスクロマトグラフによって分析した.【結果】全固形分含量は①と③がイルカ乳に近似し,乳糖含量とカリウム含量は③のみイルカ乳に近似しており,タンパク質含量はいずれもイルカ乳より低値であった.イルカ乳の主要カゼインはβ-カゼインであるが,代用乳はいずれもαs,κ-カゼインの割合が大きく,イルカ乳に含まれるC20以降の脂肪酸はいずれの代用乳にも含まれていなかった.よって,現状の3種の代用乳の成分はいずれもイルカ乳と大きく異なり,イルカ用代用乳創製が必要であると考えられた.