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[IX29-31] DFAIIIの代用乳への添加が子牛の増体および下部消化管内微生物叢に及ぼす影響
【目的】DFAIIIはイヌリンを原料とし,酵素合成により作られるフルクトース2分子からなる二糖類である.これまでに反芻家畜において,ルーメン内微生物による分解発酵を受けにくく,小腸内でミネラルや免疫グロブリンの吸収を促進することが報告されている.しかしながら反芻家畜の下部消化管内における機能性・発酵性や微生物叢への影響は未解明である.本研究ではDFAIIIの代用乳への添加が子牛の下部消化管内微生物叢構成に及ぼす影響を評価した.【方法】試験ではホルスタイン種雌新生子牛を用い,代用乳にDFAIIIを添加した区(試験区)と無添加の区(対照区)に分け,生後3日目から60日目にわたり飼養した.生後3, 7, 14, 21, 28, 35, 42, 49, 60日目にサンプリングした直腸内容物から微生物DNAの抽出を行い,次世代シークエンサー(MiSeq)を用いて菌叢構成の解析を行った.【結果】子牛の体重増加において,DFAIII添加による有意差は認められなかった.消化管内微生物叢は子牛の日齢による変動がみられた.特に,生後3日目から28日目までの間で変動が大きく,28日目以降は60日目まで類似した菌叢構成を示した.試験区間で微生物叢構成に明確な差異は見られなかった.今後はさらに検体数を増やして検証を継続していく予定である.