日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[I-YS-01_02] 優秀発表賞演題(第Ⅰ会場)

2019年3月28日(木) 09:00 〜 09:30 第I会場 (8号館8301講義室)

座長:西山 啓太(北里大薬)

09:00 〜 09:15

[IYS-01] 真空包装下における熟成がホルスタイン種去勢牛胸最長筋の品質に及ぼす影響

瀧田 渓吾1, 渡邊 源哉2, 本山 三知代2, 中島 郁世2, 田島 淳史1, 佐々木 啓介2 (1.筑波大院生物資源, 2.農研機構畜産部門)

【目的】熟成により牛肉に生じる好ましい変化は,ホルスタイン種などから生産される赤身型牛肉の高付加価値化をもたらすと期待される.そこで本研究では,ホルスタイン種去勢牛の肉の真空包装下での熟成処理による成分・物理特性の変化を調べた.【方法】22カ月齢のホルスタイン種去勢牛4個体から得た胸最長筋を4×4×16cmの長方形のブロック状に調製し,真空包装下,2℃に設定した冷蔵庫で,と畜後1,7,14,21日間熟成させた.熟成後,呈味成分としてグルタミン酸,イノシン酸およびオリゴペプチド含量,香気に影響する因子としてチオバルビツール酸反応物含量,物理特性として肉色,クッキングロス,Warner-Bratzler shear force value(WBSFV),Texture Profile Analysis(TPA)による物性をそれぞれ測定した.【結果】牛肉中のグルタミン酸含量,オリゴペプチド含量,肉色のa*値,b*値は,熟成処理により有意に増加した(P<0.05).一方でイノシン酸含量,WBSFVは有意に減少した(P<0.05).チオバルビツール酸反応物含量,クッキングロス,TPAにおいては,変化はなかった.