The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[I-YS-05_06] 優秀発表賞演題(第Ⅰ会場)

Thu. Mar 28, 2019 10:00 AM - 10:30 AM 第I会場 (8号館8301講義室)

Chairman:Hajime Kumagai

10:00 AM - 10:15 AM

[IYS-05] バイパスナイアシンが暑熱期の乳牛に及ぼす影響

Tamaoki Yuzuru1, Oono Mamiko1, Sumiyoshi Toshiaki1, Kamichi Sari2, Tetsuya Horikita1 (1.Nihon Univ., 2.NISSAN GOSEI KOGYO CO.,LTD)

【はじめに】ナイアシンは暑熱ストレスを軽減させるとされている.そこでバイパスナイアシン製品(日産合成工業株式会社)の給与により暑熱期の乳牛が受ける影響を調査した.【材料および方法】神奈川県A農場の泌乳期のホルスタイン種乳牛をバイパスナイアシン製品12g/頭/日を毎朝給与する給与群5頭と無給与の対照群5頭に分けた.試験1では,8月7日(day0)から8月28日(同21)の間,3日毎に体温,呼吸数,心拍数,血中ナイアシン濃度などを測定した.試験2では,両群で9月6日から9月27日の間,5分毎に膣内深部体温を測定した.両試験とも外気温と湿度を5分ごとに測定し不快指数(THI)を求めた.【成績および考察】試験1では,血中ナイアシン濃度はday0~15において給与群が対照群より高く,本製品は血中に移行していたと考える.また試験1および2では,対照群は給与群より体温が高い傾向を示しTHIの影響を受けていた.すなわち給与群では,ナイアシンの血管拡張作用によりTHIの増加に伴う体温の上昇を抑制する効果があったものと考える.心拍数や呼吸数も同様の傾向を示した.搾乳牛は暑熱下でインスリン濃度が上昇するとされているが,給与群と対照群の比較において有意な傾向は認められなかった.以上より本製品の給与により乳牛への暑熱の影響が緩和されることが示唆された.