[P29-02] 乳牛用バイパスLys製剤の血中Lys反応性評価
【目的】近年アミノ酸組成を考慮した乳牛の栄養設計として,乳牛用バイパスLys製剤も広く普及しつつある.しかしながら実際にバイパスLys製剤を泌乳牛に投与した際の血中Lys反応性に関する報告は少ない.そこで本試験では実際に泌乳牛にバイパスLys製剤を給与し血中へのLys反応性を評価した.【方法】本試験は国内で販売されているバイパスLys製剤3製剤(A,B,C)を用いた.ホルスタイン泌乳後期牛9頭を用い,処理区として製剤A区,製剤B区,製剤C区を設け,1期3週間の3x3ラテン方格法で実施した.予備期1週間,本期2週間とし,予備期は飼料馴致のみとし,本期に各製剤中のリジン含量が7.6g/100kg・BWとなるように各バイパスリジン製剤を添加給与した.乳量は本期中毎日測定し,本期10ー14日に乾物摂取量,最終日に乳成分を測定し,採血は予備期最終日と本期最終日に実施し,血中アミノ酸濃度を測定した.【結果】乳量,乾物摂取量および乳成分は処理区間で差がなかった.添加給与前と比較して血中Lys濃度,総アミノ酸に占めるLys含量割合,および必須アミノ酸中に占めるLys含量割合は,添加給与によって製剤A区で高値を示したが,製剤BおよびC区では変化がなかった.以上の結果からバイパスLys製剤に含まれるLysの血中への反応性は製剤により差があることが示された.