[P29-26] 体外受精胚発生率に関連しうる牛精子核DNAのメチル化可変部位の探索
【目的】精液性状の評価が良好でも人工授精に使用すると受胎性の低い牛精液を発見するための指標が求められている.我々は,精子核DNAのメチル化可変部位がその指標になりうる可能性を考え受胎性に関連する部位の探索を行ってきた.今回は体外受精発生率に注目した検討を行ったので報告する.
【方法】黒毛和種雄牛の凍結精液について体外受精後の胚盤胞期胚への発生率(IVF率)を調査すると共にDNAを抽出した.IVF率が30%以上と15%未満のグループ間(各4頭)についてヒト用メチル化解析用チップによる比較解析を行った.次にCombined Bisulfate Restriction Analysis (COBRA)法によるメチル化差異の簡易検出が可能な部位を検索し,多検体のDNAメチル化度とIVF率の関連性について調査した.
【結果】ヒト用チップによる比較解析の結果,グループ間でメチル化度が平均0.2以上異なるものが124箇所検出された.そのうち1箇所のメチル化可変部位(CpG-IVF1)について,COBRA法によるメチル化度の簡易検出が可能であった.CpG-IVF1のメチル化度は,グループ間比較(IVF率30%以上, n=12 vs. 15%未満, n=11)において有意差がみられた(P<0.01).また34ロットのサンプルについてIVF率と正の相関が,また精液採取月齢とも正の相関が検出された(P<0.01).
【方法】黒毛和種雄牛の凍結精液について体外受精後の胚盤胞期胚への発生率(IVF率)を調査すると共にDNAを抽出した.IVF率が30%以上と15%未満のグループ間(各4頭)についてヒト用メチル化解析用チップによる比較解析を行った.次にCombined Bisulfate Restriction Analysis (COBRA)法によるメチル化差異の簡易検出が可能な部位を検索し,多検体のDNAメチル化度とIVF率の関連性について調査した.
【結果】ヒト用チップによる比較解析の結果,グループ間でメチル化度が平均0.2以上異なるものが124箇所検出された.そのうち1箇所のメチル化可変部位(CpG-IVF1)について,COBRA法によるメチル化度の簡易検出が可能であった.CpG-IVF1のメチル化度は,グループ間比較(IVF率30%以上, n=12 vs. 15%未満, n=11)において有意差がみられた(P<0.01).また34ロットのサンプルについてIVF率と正の相関が,また精液採取月齢とも正の相関が検出された(P<0.01).