[P-29-39_47] 一般演題（ポスター発表）<育種・遺伝>

[P29-40] 黒毛和種における胚と同胚由来産子の枝肉形質ゲノム育種価の比較

^○造田 篤¹, 大久保 春菜¹, 平野 和夫², 鈴木 京², 井上 喜信³, 大野 喜雄¹, 浦川 真実¹ (1.全農ET研, 2.全農飼中研, 3.鳥取畜試)

【目的】胚の段階でゲノム育種価を予測することができれば，極めて効率的な育種改良が可能となる．本研究では黒毛和種を対象とし，胚と同胚由来産子のジェノタイピングの結果および枝肉形質の予測ゲノム育種価を比較した．【方法】黒毛和種体内胚（24個）の栄養膜細胞の一部を切除し（約15細胞），DNA抽出および全ゲノム増幅を行なった．細胞切除後の胚は凍結し，移植を行なった．また，誕生した子牛（5頭）については血液からDNAを抽出した．ジェノタイピングは，illumina Bovine50Kver2チップにより行なった．その後，胚段階のSNPデータのcall rateを算出し，胚段階と産子のSNP型の一致率を比較した．また訓練群として7,848頭のSNPデータおよび40,336頭の形質データを用いて，枝肉6形質のゲノム育種価をssGBLUP法により予測した．【結果】50Kチップで解析した結果，胚段階でのジェノタイピングのcall rateは平均0.88であり，産子と結果の一致しているSNP型の割合は平均95.7%であった．胚段階と産子の予測ゲノム育種価は，call rateが低い場合を除き同程度の値であった．以上の結果から，胚段階でのゲノミック選抜の可能性が示唆された．