日本畜産学会第125回大会

講演情報

ポスター発表

[P-29-39_47] 一般演題(ポスター発表)<育種・遺伝>

2019年3月29日(金) 09:00 〜 15:30 ポスター会場・展示 (大教室)

[P29-44] 近赤外線測定データの追加が黒毛和種の脂肪酸組成形質ゲノミック育種価の精度に与える影響

渡邊 敏夫, 佐々木 整輝, 荻野 敦, 黒木 一仁, 安森 隆則, 戸田 昌平, 富樫 研治 (家畜改良事業団)

【目的】脂肪酸組成の測定にはガスクロマトグラフ法(GC法)が用いられてきたが,近年近赤外線測定装置による測定法が普及し,今後多くのデータ蓄積が見込まれる.本研究は①黒毛和種において近赤外線法データとGC法データとの遺伝相関を調査すること②近赤外線法データの追加がGC法脂肪酸組成ゲノミック育種価(G育種価)正確度に与える影響の調査を目的とした.【材料・方法】肥育牛8058頭の僧帽筋脂肪中のC14:0,C14:1,C16:0,C16:1,C18:0,C18:1,C18:2をGC法により定量し,C18:1割合を算出した.うち683頭は食肉脂質測定装置により筋間脂肪部位のC18:1を測定した.後代数ゼロの雄81頭および後代数15~25頭の雄45頭を育種価評価対象とした.単形質または2形質アニマルモデルGBLUP法により遺伝相関およびG育種価を算出した.【結果・考察】GC法C18:1割合と近赤外C18:1割合との遺伝相関は0.674であった.後代数ゼロの雄のGC法C18:1割合G育種価の正確度は,単形質GBLUP法(肥育牛7375頭)で平均0.873であったが,2形質GBLUP法(それぞれ7375頭,683頭)で0.875とわずかに向上した.後代を持つ雄についてはいずれも0.952で,差が見られなかった.近赤外線法データを追加することでGC法形質のG育種価の正確度を高められる可能性を示した.