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[V29-11] 分娩後早期の乳牛におけるポビドンヨード製剤の子宮内投与がその後の子宮内環境および繁殖成績に及ぼす影響
【目的】乳牛の分娩後早期におけるポビドンヨード液(PVP-I)の子宮内投与がその後の子宮内環境および繁殖成績に及ぼす影響を明らかにすることである.【材料と方法】試験Ⅰ:ホルスタイン種経産牛71頭を供試,うち33頭を処置群とし,そのうちの16頭には分娩後3週目に(W3群),17頭にはW5に(W5群)それぞれ子宮内に2%PVP-I50mLを投与,残りの38頭を無処置対照群とし,W5,W7の細菌分離率とその後の繁殖成績を比較した.試験Ⅱ:ホルスタイン種経産牛98頭のW3にサイトブラシにより子宮内膜細胞診を実施,2%PVP-I50mL子宮内投与群(PVP-I群: n = 50)および生理食塩水50mL子宮内(生食群: n = 48)の2群に任意に分けて各薬液を投与,W5,7において再度細胞診を実施,子宮内膜PMN%の推移をモニターした.【結果】試験Ⅰ:W3群およびW5群におけるW5での細菌分離率はW3群の方が低い傾向にあった.また,分娩後200日までの累積妊娠率はW3群(87.5%)が無処置対照群(42.1%)よりも有意に高かった.試験Ⅱ:分娩後W3,5および7におけるPMN%は両群に差がなかったが,W3で内膜炎罹患牛におけるW7での治癒率はPVP-I群(77.8%)が生食群(55.6%)よりも高かった.【まとめ】W3でのPVP-I投与はその後の子宮内環境および繁殖成績を向上させることが示唆された.