日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VI-29-01_03] 遺伝・育種(VI-午前)

2019年3月29日(金) 09:00 〜 09:30 第VI会場 (8号館8402講義室)

座長:佐々木 修(農研機構畜産部門)

09:00 〜 09:10

[VI29-01] 飼養形態ごとに分けた乳牛の在群期間と初産次受胎率の遺伝的関係

中堀 祐香1, 山口 諭2, 阿部 隼人2, 中川 智史2, 山崎 武志3, 馬場 俊見4, 萩谷 功一1 (1.帯畜大院, 2.北酪検, 3.農研機構北農研, 4.日ホ北支局)

【目的】長命性の指標である在群期間(HL)は飼養形態によって泌乳・体型形質間と異なる遺伝相関をもつことが報告されており,他にもHLと関係する形質が存在すると考えられる.本研究では,繁殖性の指標のひとつである初産次受胎率(CR)に着目し,飼養形態ごとのHLとCR間の遺伝相関を推定することを目的とした.【方法】1993~2008年の間に初産分娩した北海道のホルスタイン雌牛の牛群検定記録を使用した.検定記録は2012年に酪農家を対象に行われた飼養形態に関するアンケートに基づいてタイストール(TS),フリーストール(FS)および放牧主体(GZ)の3形態に分類された.HLは最大84ヵ月の打ち切り記録による線形形質として,CRは線形もしくは閾値形質として扱った.モデルに含む要因は日本の遺伝評価に用いられているモデルに準拠した.各分散成分は二形質アニマルモデルを仮定し,REMLF90およびTHRGIBBS1F90プログラムを用いて推定した.【結果】CRを線形形質として扱った場合の遺伝率推定値はいずれも過去の報告の範囲内であり,HLとCR間の遺伝相関はいずれの飼養形態においても弱い正の値が推定された.CRを閾値形質として扱った場合の遺伝率推定値は線形形質として扱った場合よりも高く,HLとCR間の遺伝相関はTSで弱い正,FSとGZにおいていずれも中程度の正の値が推定された.