日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VI-29-07_09] 遺伝・育種(VI-午前)

2019年3月29日(金) 10:00 〜 10:30 第VI会場 (8号館8402講義室)

座長:三宅 武(京大院農)

10:10 〜 10:20

[VI29-08] 乳牛の淘汰理由と体型形質の表型的関係

梶田 麻由1, 山口 諭2, 阿部 隼人2, 中川 智史2, 馬場 俊見3, 川上 純平3, 寺脇 良悟4, 萩谷 功一1 (1.帯畜大畜産, 2.北酪検, 3.日ホ北支局, 4.酪農大)

【目的】疾病と体型形質間に関連がある場合,体型形質を改良することが疾病による淘汰を抑制する可能性がある.本研究では疾病による淘汰と体型形質の関連性を調査した.【方法】データは北海道酪農検定検査協会が集積した北海道内の牛群検定記録のうち,2003年~2008年に誕生した個体の淘汰理由記録,および日本ホルスタイン登録協会北海道支局が収集した初産時の23形質の体型審査記録である.本研究では淘汰理由について繁殖障害(n=11,765),乳房炎(n=9,574)または肢蹄病(n=6,355)に限定し,淘汰理由ごとにデータセットを作成した.各データセットについて72ヵ月齢時の生存(1)および淘汰(0)を評価した.分析はRのGLM関数によるロジスティック回帰分析で行い,母数効果に体型形質のスコアおよび初産の分娩年を考慮し,オッズ比(OR)を算出した.ORが高いとき,72ヵ月齢時の各疾病による淘汰リスクは低いことを意味する.【結果】各淘汰理由のORは,乳房の深さのスコアが高くなるに従い高かった.繁殖障害は胸の幅および体の深さのスコアが低いほどORが高かった.乳房炎のORは前乳頭の配置のスコアが5のとき高かった.肢蹄病は後肢側望のスコアが5のときに最もORが高かった.