[VI-29-10_12] 遺伝・育種（VI-午前）

[VI29-12] 黒毛和種における飼料利用性のゲノム育種価予測式についての基礎的な一検討

^○kanisawa syota¹, yamada takahisa², taniguchi yukio³, katuta tomohiro⁴, iwaisaki hiroaki⁵ (1.Niigata Univ. Faculty of Agriculture, 2.Niigata Univ., 3.Kyoto Univ., 4.Wagyu Registry Association, 5.Center for Toki and Ecological restoration Institute for Research Promotion,Niigata Univ.)

【目的】和牛においても，血統とSNPの情報を利用したシングル・ステップの方法群の性能の検討に加えて，SNP 情報のみからゲノム育種価を予測する方法群のそれらについても検討し，選抜の全体的なシステムの中での有効利用の可能性を探っていくことは，ゲノミック評価の本質と利用上，必要な観点の一つである．また，飼料利用効率の改良は，生産効率向上の点のみならず，温暖化に対応する育種の推進の観点でも重要な課題である．今回は，このような視点から，SNP-BLUPのような方法の黒毛和種若雄牛の直接検定前の予備選抜での利用価値の評価を進める目的で，まず，関係記録の初歩的な一分析を行った．【方法】当該検定牛2,888頭の形質記録等を用い，SNP-BLUPの利用を念頭に，ここではSNP 情報を備えた1,274頭についてのGBLUPのモデルによる分析と関連の分析を実施した．計算は，BLUPF90 familyプログラムによった．【結果】分析対象形質でのGBLUPのモデルによる推定遺伝率は0.45から0.14の範囲であったが，従来の血統情報による推定値からはssGBLUPのモデルによる推定値よりも概ね隔たっていた．GBLUPのモデルによる評価値と血統情報による評価値との間の相関（1,274頭）には，概ね0.9～0.8の値が認められた．今後，SNP 情報を備えたさらに多くの検定牛の記録を利用し，より詳細な分析を進めたい．