日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VI-29-23_24] 遺伝・育種(VI-午後)

2019年3月29日(金) 14:20 〜 14:40 第VI会場 (8号館8402講義室)

座長:井上 慶一(家畜改良セ)

14:20 〜 14:30

[VI29-23] 北海道池田町産褐毛和種におけるロース芯オレイン酸割合に関する遺伝的パラメーター

山本 朝子, 後藤 弥子, 阿佐 玲奈, 萩谷 功一, 口田 圭吾 (帯畜大)

【目的】北海道池田町では「いけだ牛」と呼ばれる褐毛和種が生産されている.本研究では「いけだ牛」のオレイン酸割合(C18:1%)への要因調査および遺伝的パラメーターの推定を行った.【方法】2010年1月から2018年6月までに池田町に出荷された褐毛和種のうち,1,772頭の枝肉格付形質,画像解析形質および脂肪酸組成の記録を用いた.第6-7肋骨間枝肉横断面をミラー型撮影装置で撮影し,専用の解析ソフトウェアを用いて画像解析値を求めた.脂肪酸組成はガスクロマトグラフで分析した.要因調査は分散分析を行い,SASのMIXEDプロシージャを利用した.遺伝的パラメーターは,AIREMLF90を用いたアニマルモデルによって推定した.【結果】枝肉重量,脂肪面積割合およびC18:1%の平均値は去勢で483.7±46.3kg,32.4±6.9%,50.1±3.0%,メスで448.6±44.7kg,32.3±6.9%,51.3±3.0%であった.C18:1%に有意に影響した要因は,出荷年,性別,と畜月齢,肥育生産者,BCS,BFS,脂肪面積割合およびあらさ指数であった.出荷年の最小および最大はそれぞれ48.8%(2016年)および52.6%(2018年)であった.C18:1%の遺伝率は0.71と推定された.C18:1%との遺伝相関では,脂肪面積割合(0.23),新細かさ指数(0.10)と正の相関がみられた.