日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VI-29-23_24] 遺伝・育種(VI-午後)

2019年3月29日(金) 14:20 〜 14:40 第VI会場 (8号館8402講義室)

座長:井上 慶一(家畜改良セ)

14:30 〜 14:40

[VI29-24] 黒毛和種肥育期間中の死亡率に関する遺伝的パラメーターの推定

坂本 紗穂, 後藤 弥子, 萩谷 功一, 口田 圭吾 (帯畜大院)

【目的】本研究では家畜市場で取引された黒毛和種の死亡ならびにと畜時期を調査し,肥育期間中の死亡に関わる遺伝的パラメーターを推定した.【方法】2011年6月~2017年3月に子牛市場に上場された黒毛和種82,914頭の子牛市場データを用いた.牛個体識別情報検索サービスを用いて生産履歴を調査し,「死亡」と記載のあるものを肥育期間中に死亡した個体とした.遺伝的パラメーターはTHRGIBBS1F90を用いアニマルモデルにより推定した.【結果】去勢および雌における死亡率はそれぞれ2.8%,3.5%であったが,雌は繁殖牛として長期飼育されている可能性があるため,死亡月齢が30ヶ月齢以下の個体のみを抽出したところ3.0%まで低下した.去勢における平均死亡月齢は20.0±6.7ヶ月であったが,最も死亡率が高くなる月齢(最頻月齢)は10ヶ月齢であった.死亡月齢が30ヶ月齢以下の雌では20.7±6.3ヶ月となり,最頻月齢は28ヶ月齢であった.去勢で死亡頭数が最大となるのは秋であり,最少となるのは春であった.雌では冬に最大となり,夏に最少となった.去勢の子牛市場での出荷時体重は肥育途中で死亡しなかった(生存)個体では310.1±27.3kg,死亡した個体では305.3±30.3kgであった.雌では生存291.9±27.5kg,死亡290.2±28.6kgであった.死亡率の遺伝率は低い値が推定された.