09:40 〜 09:50
[VIII29-05] 筋幹細胞の合成・分泌因子Netrin-1による速筋型筋線維の形成誘導
【目的】骨格筋の筋線維型は食肉の質と関連する重要なファクターであるが,その制御機構は不明な点が多い.我々は,筋幹細胞(衛星細胞)が分化および融合して新生筋線維(筋管)を形成する過程で,多機能性の細胞外因子を合成・分泌することで,自律的に筋線維型を初期決定する新奇制御機構に着目している.本研究では,衛星細胞が合成するNetrin-1が筋管の筋線維型に与える影響について検証した.
【方法】まず,C57BL/6成熟雄マウスより単離した衛星細胞の初代培養系にてNetrin-1の発現パターンを調べた.次に,遅筋または速筋を由来とする衛星細胞のNetrin-1と受容体の発現量を比較した.さらに,衛星細胞の分化誘導時にNetrin-1特異的siRNAを用いたノックダウン条件下で筋管を形成させて,筋線維型ミオシン重鎖アイソフォームの発現変化を調べた.
【結果】衛星細胞におけるNetrin-1の発現量は,分化誘導開始直後に増加した.分化誘導後の速筋由来の衛星細胞では,遅筋由来よりもNetrin-1の発現量が有意に高かったが,受容体の発現量には差は認められなかった.Netrin-1の発現を抑制すると速筋型ミオシン重鎖の発現量は低下したが,遅筋型には変化は認められなかった.以上の結果より,速筋に由来する衛星細胞はNetrin-1を多量に合成して,自律的に速筋型の筋管を形成する制御機構を有すると考えられた.
【方法】まず,C57BL/6成熟雄マウスより単離した衛星細胞の初代培養系にてNetrin-1の発現パターンを調べた.次に,遅筋または速筋を由来とする衛星細胞のNetrin-1と受容体の発現量を比較した.さらに,衛星細胞の分化誘導時にNetrin-1特異的siRNAを用いたノックダウン条件下で筋管を形成させて,筋線維型ミオシン重鎖アイソフォームの発現変化を調べた.
【結果】衛星細胞におけるNetrin-1の発現量は,分化誘導開始直後に増加した.分化誘導後の速筋由来の衛星細胞では,遅筋由来よりもNetrin-1の発現量が有意に高かったが,受容体の発現量には差は認められなかった.Netrin-1の発現を抑制すると速筋型ミオシン重鎖の発現量は低下したが,遅筋型には変化は認められなかった.以上の結果より,速筋に由来する衛星細胞はNetrin-1を多量に合成して,自律的に速筋型の筋管を形成する制御機構を有すると考えられた.