日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[VIII-29-34_36] 形態・生理(VIII-午後)

2019年3月29日(金) 16:00 〜 16:30 第VIII会場 (8号館8501講義室)

座長:野地 智法(東北大院農)

16:20 〜 16:30

[VIII29-36] オスマウスに対する高脂肪飼料給与は次世代の脂肪酸合成関連遺伝子発現に影響する

栃原 亜依, 相澤 修, 山室 裕 (日大院生資科)

【目的】高脂肪飼料給与により作出された肥満モデルマウスは,顕著な体重増加ならびに腹腔内や肝臓における過剰な脂質蓄積を示す.しかしながら,親世代,特に父親における肥満形質が次世代の表現型に及ぼす影響に関して詳細は不明である.本研究では,オスマウスの高脂肪飼料摂取が次世代オスマウスの脂肪酸合成関連遺伝子発現に及ぼす影響について調べた.【方法】5週齢C57BL/6Nオスマウスに高脂肪飼料(HFD:脂質含量24 g%)または対照飼料(CD:脂質含量4.3 g%)を給与し,12週間飼育した.その後,通常飼料により飼育された成熟メスマウスと交配し,HFDを給与されたオスより得られたF1(HFD-F1)ならびにCDを給与されたオスから得られたF1(CD-F1)をそれぞれ獲得した.F1マウスは通常飼料により13週齢まで飼育した後,肝臓ならびに白色脂肪組織を採取し,脂肪酸合成関連遺伝子発現をRT-qPCR法により測定した.【結果】HFD-F1群の肝臓におけるScd1Chrebp1およびFasn遺伝子の発現は,CD-F1群に比べ有意に増加した.また,HFD-F1群の白色脂肪組織におけるFasn遺伝子発現は,CD-F1群より有意に増加した.【結論】オスマウスの高脂肪飼料摂取は,次世代オスマウスにおける肝臓ならびに白色脂肪組織の脂肪酸合成関連遺伝子の発現を組織特異的に変動させることが示された.