日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[XIII-29-01_02] 管理・環境(XIII-午前)

2019年3月29日(金) 09:00 〜 09:20 第XIII会場 (8号館8601講義室)

座長:村上 裕信(麻布大獣)

09:00 〜 09:10

[XIII29-01] 温帯気候地域において飼養されているホルスタイン種の疾病の疫学調査および生産性との関連性

福島 悠樹1, 南野 知也2, 三栗野 陽子2, 堀井 洋一郎2, 本川 和幸2, 佐々木 羊介1 (1.宮崎大農, 2.本川牧場)

【目的】乳牛は暑熱ストレスに大きな影響を受けるため,国内における酪農場は亜寒帯気候地域である北海道に多く存在している.一方,九州は温帯気候地域であり,北海道と比べて夏季の気温が高くなる.そこで本研究の目的は,温帯気候地域において飼養されているホルスタイン種の疾病の疫学調査および生産性との関連性を調査することとした.【方法】本研究は九州に所在する大規模酪農場1農場を対象とした.2014年から2016年までに分娩したホルスタイン種3,125頭における分娩記録5,740記録を調査に用い,それらの個体における疾病の罹患率および生産性を調査した.統計分析には混合効果線形モデルおよび生存時間分析を用いた.【結果】各疾病の罹患率は,乳房炎が37.7%,代謝系疾患が4.5%,生殖器系疾患が3.7%であった.乳房炎は分娩後30日以内で多く発生しており,高産次になるにつれ罹患率が高くなった(P<0.05).また乳房炎罹患牛は健康牛に比べて乳量が多くなっていたが,次産次の乳量とは関連性がみられなかった.代謝系疾患は分娩後10日以内の発生が多く,高産次,夏季分娩における罹患率が高かった(P<0.05).生殖器系疾患は分娩後5日以内で多く発生しており,高産次および夏季分娩における罹患率が高かった(P<0.05).本研究の結果より,温帯気候地域においても乳房炎が主たる疾病であることが分かった.