The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[XIII-29-06_08] 管理・環境(XIII-午前)

Fri. Mar 29, 2019 9:50 AM - 10:20 AM 第XIII会場 (8号館8601講義室)

Chairman:Kazuhiro Kawai(Azabu University)

10:00 AM - 10:10 AM

[XIII29-07E] 密閉式豚舎臭気を対象とした循環散水式の脱臭システムの脱臭性能

Yasuda Tomoko1, Waki Miyoko1, Saito Hiroaki2, Yokoshima Hiroki2, Fukumoto Yasuyuki1 (1.NARO Institute of Livestock and Grassland Science, 2.Yoshimoto Agri Co., Ltd.)

【目的】循環散水式の生物脱臭法の性能を詳細に明らかにするため,密閉式豚舎を対象とした循環散水式脱臭システムの性能を調査した.また,豚舎臭に特徴的な臭気を明らかにするために,におい嗅ぎGC/MSにより臭気の寄与成分を解析した.【方法】当該システムは,豚房と換気扇の間に設置した2列のフィルターの上部より交互に散水を行っている.2017年5月から2018年9月に,豚舎内,フィルター間,換気扇通過後のガスのNH3とアミン類の濃度を検知管により,硫黄化合物と低級脂肪酸の濃度を公定法に従い測定した.2018年9月に採取したガスをにおいかぎGC/MS解析に供試した.また,循環水のpHを測定した.【結果】臭気除去率の平均はNH3,アミン類,メチルメルカプタン,低級脂肪酸類は80%以上であった.硫化水素,硫化メチルは変動が大きく平均で約50%と約20%であった.換気扇口では,2017年6月にn-酪酸が臭気強度3.5相当濃度をわずかに上回った以外,いずれも臭気強度3.5相当濃度を下回っていた.一方,第1フィルターのみでは当該濃度を超える場合が散見され,2枚のフィルターの必要性が示された.においかぎGC/MSでは,n-酪酸とi-吉草酸が豚舎サンプルで強く検知され豚舎独特の臭いに寄与していると考えられた.循環水pHは2.6~7.1であるが,pH低下による低級脂肪酸の除去性能の低下傾向は認められなかった.