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[XIII29-09] 映像情報による肉牛の分娩検知システムにおけるクラウドソーシングを用いた誤検出抑制
【目的】映像情報による肉牛の分娩検知するシステムは,導入した環境へ適応が不十分である運用初期,十分な性能が得られない.この運用初期段階において,分娩の見逃しを抑えようとすると,誤って分娩と判定される誤検出の回数は増え,農家への誤通報が頻発する.本研究では,インターネットを通じて作業を依頼できるクラウドソーシングを分娩検知システムに組込み,システムの出力を人の目で検証することで,運用初期段階における誤検出を抑制することを試みる.【方法】繁殖農家の分娩房に畜産用カメラに設置し収録した,黒毛和牛種の分娩前6時間の映像3回を用いて評価を行った.羊膜および尿膜の露出を分娩開始とみなし,画像からこれらを検知するパターン認識器を畳込みニューラルネットワークを用いて構築した.また,分娩検知結果の検証のため,分娩として検知された画像の正否の検証をクラウドソーシングの作業者に自動で依頼するシステムを実装した.3人の作業者に対して検知結果の検証を依頼し,その多数決を最終的な検証結果として用いた.【結果】評価指標として3回の分娩の適合率を平均した値を用いる.クラウドソーシングによる検証を行わなかった場合の適合率の平均値は0.109,行った場合の適合率の平均値は0.859であり,クラウドソーシング使用により0.750の適合率の改善が確認された.