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[XIII29-19E] 里子処置における里子頭数が母豚の生産性に及ぼす影響の調査
【目的】近年,育種改良による生存産子数の増加に伴い,哺乳可能な頭数を上回る子豚を分娩する母豚が増加している.その対策として,産子数が多い母豚から少ない母豚へ子豚を移す里子処置が挙げられる.本研究の目的は,里子処置における里子頭数が母豚の生産性に及ぼす影響を調査することとした.【方法】本研究は,宮崎県に所在する生産農場7農場を対象とし,2015年から2018年に分娩した母豚10,284頭の44,458分娩記録を分析に用いた.里子処置は里子の頭数を基準として,5グループに分類した(≤-3頭,-1,-2頭,0頭,+1,+2頭,≥+3頭).統計分析には混合効果線形モデルを用いた.【結果】一腹当たり生存産子数の平均は12.1頭であり,里子処置を実施した母豚割合は73.7%であった.離乳時成績は里子処置と哺乳開始頭数間で交互作用がみられた.哺乳開始頭数≤11頭では,里子処置≤-3頭の母豚が他の母豚よりも離乳頭数が約1頭少なく,哺乳中子豚死亡率が約10%高かった(P<0.05)が,哺乳開始頭数12,13頭では里子処置グループ間における差はみられなかった.次産次一腹当たり生存産子数は,哺乳開始頭数に関わらず,里子処置≤-1頭の母豚がそれ以外の母豚よりも多かった(P<0.05).本研究の結果より,里子処置≤-3頭および哺乳開始頭数≤11頭の母豚は離乳時成績が低下することが示唆された.