The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[XIII-29-20_21] 管理・環境,畜産経営,動物介在(XIII-午後)

Fri. Mar 29, 2019 2:00 PM - 2:20 PM 第XIII会場 (8号館8601講義室)

Chairman:Ken-ichi Takeda

2:00 PM - 2:10 PM

[XIII29-20] 出生直後の馴致時間と馴致日数の違いがヒト-ウシ間のその後の親和性に与える影響

Wada Satoko, Fukasawa Michiru, Shishido Tetsuro, Chiba Takashi, Ogura Shinichiro (Tohoku Univ. Graduate School of Agricultural Science)

【目的】ヒトとウシとの親和性の形成には出生直後に体を撫でるなどの馴致を行うのが効果的なことが知られている.演者らは先に1日2回の馴致がヒトとの親和性の形成と維持に有用なことを示した.今回,1回あたりの馴致時間と馴致日数の組み合わせが,ヒトに対する親和性形成に与える影響を調査した.【方法】黒毛和種子牛12頭を,対照区,3日区,5日区に割り当て,優しく声をかけ体を撫でる馴致を行った.3日区では1日2回5分間の馴致を生後翌日から3日間,5日区では1日2回3分間の馴致を生後翌日から5日間行った.対照区では飼育ペン内で個体を1日2回5分間見つめる処理を行った.いずれの処理でも総処理時間を30分とした.馴致終了後1か月時に,親和性評価として,新奇エリア内に佇立するヒトに対するアプローチテストを行った.【結果】対照区に比べ,両馴致区で試験中の発声回数が多かった.ヒトへの最接近距離は,対照区よりも3日区で短くなった.滞在位置の分布は試験区間で有意に異なり,3日区と5日区では対照区に比べヒトの近くでの滞在時間割合が増加した.また滞在位置は対照区に比べ両馴致区で有意にヒトに近かった.以上の結果から,ウシの出生直後の馴致では,総馴致時間が同じであれば短期間に集中的に行う条件が親和性形成に有用なことが示唆された.