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[XIII29-24] 夏季における短期1日1回搾乳が泌乳成績におよぼす影響
【目的】1日1回搾乳は,乳牛の体重や泌乳成績に強い影響を及ぼすと考えられるが不明な点が多い.演者らは前大会(第123回)にて,冬季の3ヶ月間,1日2回から1回へ搾乳回数を減らすことによる体重や泌乳成績に対する影響について発表した.今回は,夏季の泌乳成績を調べた.【方法】完全混合飼料(TMR; TDN74%, CP14%)を飽食している1日2回搾乳牛群(18頭,平均泌乳量33kg)に対して,1日の泌乳量が経産牛30kgおよび初産牛20kg以下になるまで自給粗飼料中心のTMR(TDN60%, CP9%)を飽食させた.泌乳量が目標値を下回った後1日1回搾乳を開始した.その後10週前後1日1回搾乳とし,再び元の飼料と搾乳回数に戻した.期間中の体重(1ヶ月間隔)および泌乳成績(2週間隔)を調査し,測定時期を要因とする一元配置分散分析により解析した.【結果】体重は試験期間中6%程度有意に減少した(P<0.05).泌乳量は試験開始前を100とする相対比でおよそ半減し(P<0.05),終了後1-2週間で約84まで回復した.乳脂肪率は試験期間中有意な差は認められなかった.無脂固形分率,乳蛋白質率および乳糖率は試験期間中有意に低下した(P<0.05).乳中尿素態窒素(MUN)は試験期間中有意に減少した(P<0.05).体細胞数は試験期間中,30万個/mLを下回っていた.