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[XIV29-01] ビフィズス菌の栄養共生におけるシアリダーゼの役割
【目的】ビフィズス菌は,ヒト大腸で優勢な共生細菌である.我々は,ミルクオリゴ糖やムチン糖鎖がシアル酸により修飾されている点に着目し,これらの資化にBifidobacterium bifidumのシアリダーゼによるシアル酸の除去が重要であると報告した1).一方,いくつかのビフィズス菌は,シアル酸代謝系を有するため,B. bifidumが遊離したシアル酸を他のビフィズス菌が利用する栄養共生の関係が推察された.本研究では,シアル酸を介したビフィズス菌の栄養共生について報告する.
【方法】シアリルラクトースまたはムチンを糖源とし,B. bifidumとシアル酸代謝系を有するB. breveを共培養し,菌数を測定した.
【成績】B. breveは,B. bifidum野生株との共培養において良好な生育を示したが,B. bifidumシアリダーゼ破壊株との共培養では,顕著に低下した.また,B. breveのシアル酸代謝遺伝子の発現は,B. bifidum野生株との共培養で上昇した.
【結論】B. bifidumにより遊離されたシアル酸は,B. breveに資化されたことから,シアリダーゼはビフィズス菌の栄養共生において重要な因子であると考えられた2).
1)Nishiyama et al., MBio (2017).
2)Nishiyama et al., Anaerobe (2018).
【方法】シアリルラクトースまたはムチンを糖源とし,B. bifidumとシアル酸代謝系を有するB. breveを共培養し,菌数を測定した.
【成績】B. breveは,B. bifidum野生株との共培養において良好な生育を示したが,B. bifidumシアリダーゼ破壊株との共培養では,顕著に低下した.また,B. breveのシアル酸代謝遺伝子の発現は,B. bifidum野生株との共培養で上昇した.
【結論】B. bifidumにより遊離されたシアル酸は,B. breveに資化されたことから,シアリダーゼはビフィズス菌の栄養共生において重要な因子であると考えられた2).
1)Nishiyama et al., MBio (2017).
2)Nishiyama et al., Anaerobe (2018).