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[XIV29-02] 乳牛の消化器系由来のBifidobacterium属菌の単離とその特性評価
【背景・目的】乳牛における生産性の向上は喫緊の課題であり,その方策のひとつとして腸内フローラのバランスの破綻(dysbiosis)に起因する感染症のリスク低減は急務である.そこで本研究では,当研究室が見出し,腸内フローラを改善することが判明した好熱菌Bacillus hisashii (国際寄託番号BP-863)を牛に給与し,変動する有用菌候補を探索することを目的とした.【方法】B. hisashii給与前後の牛の排泄糞とルーメン液を採取し,次世代シーケンサーによる菌叢解析を行った.また,当該サンプルの一部から,選択培地,温度等の培養諸条件を検討し,有用菌候補の単離を試みた.【結果】糞便中の菌叢を網羅的に検証した結果,B. hisashii給与によりBifidobacterium属菌が増加する可能性が示唆された.当該Bifidobacterium属菌群の単離を試みた結果,排泄糞中からBifidobacterium pseudolongum 5株,ルーメン液中からBifidobacterium ruminantium 4株,Bifidobacterium merycicum 2株の分離に成功した.本学会では,当該菌株の生化学的特性,特に有機酸産生能に関する特徴を報告するとともに,腸内における存在意義について議論する.