日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[XIV-29-07_09] 畜産物利用(XIV-午前)

2019年3月29日(金) 10:00 〜 10:30 第XIV会場 (8号館百周年記念ホール)

座長:野村 将(農研機構畜産部門)

10:20 〜 10:30

[XIV29-09] Lactobacillus rhamnosus GG変異株におけるp40タンパク質産生能の強化

梶川 祥子1, 石田 みのり2, 生井 楓2, 重盛 駿1, 荻田 佑3, 下里 剛士4 (1.信州大農, 2.信州大院総合理工, 3.信州大バイオメディカル研, 4.信州大菌類・微生物セ)

【目的】薬剤耐性選抜法は,高濃度の抗生物質を用いて自然突然変異を強制的に引き起こすことで,微生物の潜在機能を活性化する手法の一つとして確立されている.これまでに我々はプロバイオティック乳酸菌として広く知られているLactobacillus rhamnosus GG(LGG)に本技術を適用し,7タイプの変異株(LGG-MT)の取得に成功している[1].そこで本研究では,それらLGG-MTにおける特性解析として,p40, p75分泌タンパク質の産生能に与える影響について調査を行ったので報告する.
【方法】今回新たに取得した変異株1株を加えた8タイプのLGG-MT,および野生株(LGG-WT)をMRS液体培地で24時間培養し,培養上清をSDS-PAGEに供した.CBB染色を行ったのち,LGG-MTおよびLGG-WTより分泌されるp40, p75のタンパク質量について解析した.
【結果】LGG-MTにおけるp40, p75分泌タンパク質産生能は,LGG-WTと比較して変異箇所の違いにより強化および減弱がみられた.とくにLGG-MT#001においてp40産生能が顕著に強化されていることを見出した.すなわちLGG-MT#001は,優れた抗炎症作用を有することが示唆された.
[1]石田ら, 日本畜産学会第124回大会講演要旨集, III28-04, P155, 2018.