日本畜産学会第125回大会

講演情報

口頭発表

[XIV-29-13_15] 畜産物利用(XIV-午前)

2019年3月29日(金) 11:00 〜 11:30 第XIV会場 (8号館百周年記念ホール)

座長:北澤 春樹(東北大院農)

11:10 〜 11:20

[XIV29-14] Lactobacillus gasseri が生産する新規バクテリオシン様物質( BLIS )の検索

内藤 豪1, 水野 花乃1, 長嶋 曜2, 田中 勝2, 川井 泰2, 増田 哲也2 (1.日大生資科, 2.日大院生資科)

【目的】当研究室では,乳酸菌Lb. gasseri が生産する3種のバクテリオシン(抗菌ペプチド)である"ガセリシン"を見出してきた.また,供試Lb. gasseri JCM全18株において高い抗菌活性を示したJCM1017,1019,および5814の3菌株は各ガセリシン構造遺伝子が検出されず,新規バクテリオシン様物質(BLIS)を生産している可能性が示唆された.本研究では,上記3菌株が生産する各BLISの新規性について検証を試みた.【方法】JCM 1017,1019,および5814の染色体およびプラスミドDNAを鋳型としたPCRにより,既知ガセリシンの構造遺伝子に関する保有状況を検証した.次いで,SDS-PAGE とin situ activity assayにより各BLISの分子量を推定するとともに,既知のガセリシン生産株に対する抗菌活性を測定した.【結果】PCRにより,供試 Lb. gasseri 3株から既知ガセリシン構造遺伝子は検出されなかった.また,in situ activity assay では既知ガセリシンとは異なる分子量で泳動した.さらに,ガセリシン生産株に対する抗菌活性測定では, JCM5814を除くJCM 1017および1019のBLISに抗菌活性が認められた.以上の結果から,Lb. gasseri 3株が生産する抗菌物質は新規BLIS である可能性が考えられた.