The 125th Annual Meeting of Japanese Society of Animal Science

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口頭発表

[XIV-29-16_18] 畜産物利用(XIV-午後)

Fri. Mar 29, 2019 1:00 PM - 1:30 PM 第XIV会場 (8号館百周年記念ホール)

Chairman:Yuji Miyaguchi

1:00 PM - 1:10 PM

[XIV29-16] パルマハムにおけるダークスポットの特性

Wang Hung-Cheng, Ozaki Akari, Hayakawa Toru, Kumura Haruto, Wakamatsu Jun-ichi (graduate school of agriculture in Hokkaido Univ.)

【目的】発色剤を添加しないパルマハムでは,亜鉛プロトポルフィリンIX (ZnPP)が生成されて特徴的な鮮赤色を呈する.しかし,パルマハムの製品内部にはダークスポット(DS) と呼ばれる変色部位が時々見られ,商品価値を下げる原因の一つとなる.そこで本研究では,ダークスポットの特性とその原因について調べた.【方法】パルマハムのDS及び正常部位(NS)を,紫色 LED及び蛍光顕微鏡によりZnPP とDSの蛍光物質の様相を観察した.両部位のZnPP,プロトポルフィリンIX (PPIX)及びヘムの含量を定量した.さらに,DSで生成した蛍光物質について,蛍光特性を調べた.【結果】DSはZnPP由来の蛍光が弱く,ZnPPの形成が抑制されることが示唆された.DSの中心には血管が存在し,血管の周りに黄緑色の蛍光が観察され,その蛍光特性からピオベルジンと推定された.ポルフィリン含量の結果より,DSのヘム,PPIX及びZnPP含量は,いずれもNSより有意に低かった.以上の結果より,鞭毛を持つシュードモナス属細菌が血管を通って外部から侵入し,ピオベルジンなどの蛍光物質を産生するとともに,周囲のポルフィリン類を分解することが示唆された.また,酸素がZnPPの形成を阻害することが報告されているため,血管を通って流入する酸素により,血管近傍のZnPPが形成されず,DSを形成したのかもしれない.