日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼料1

2021年9月15日(水) 08:40 〜 12:00 栄養・飼料 (オンライン)

座長:柴田 昌宏(日本獣医生命科学大学)、伊藤 文彰(農研機構北農研)、生田 健太郎(兵庫県立農林水産技術総合センター淡路農業技術センター)、黒川 勇三(広島大学)、福森 理加(酪農学園大学)

[I-15-12] 人工乳のデンプン含量の違いが乳用子牛の飼料摂取量、発育および血中代謝ホルモン濃度に及ぼす影響

*佐藤 瞳1、熊野 廉1、長田 剛彦2、鎌田 真帆2、嶋田 健介3、泉 賢一2、福森 理加1、千里 今日子1、及川 伸1 (1. 酪農大・獣医、2. 酪農大・循環農、3. 全酪連)

【目的】本研究では人工乳のデンプン含量の違いが子牛の摂取量、発育および血中代謝ホルモン濃度に及ぼす影響を評価した。【方法】ホルスタイン種子牛雌雄27頭をデンプン含量の異なる3種の人工乳区[H区(40%)、M区(30%)、L区(20%)]に9頭ずつ配置し13週齢まで試験した。代用乳(カーフトップEX; CP28%,Fat15%)は最大1.2kg/日給与し、6週齢から漸減し8週齢で離乳した。人工乳および乾草は5日齢より自由摂取させ(人工乳摂取上限3.5 kg/日)、採食量を毎日記録した。また、定期的に体重や体格の測定および採血を行った。【結果】試験期間中の体重や体格の値に処理区間の差はなかったが、離乳後の日増体量はL区と比べH区で高かった。離乳前3日間の平均人工乳乾物摂取量はH区で1.6kg、M区で1.4kg、L区で1.5kgと処理区間に差はなく、概ね離乳時の目標摂取量に到達していた。しかし、離乳後の人工乳摂取量はL区と比べH区で多かった。乾草摂取量は処理区間の差はなかったが離乳後に増加し、乾草と人工乳の摂取量から計算した離乳後の摂取デンプン濃度は、H区で33%、M区で26%、L区で18%であった。血漿IGF-1濃度は13週齢でL区と比べH区で高かった。以上より、どの処理区でも離乳は順調であったが、離乳後にL区の摂取デンプン濃度が低かったため、H区と比べて発育が制限されたと推察された。