日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

2. 遺伝・育種

育種・遺伝1

2021年9月15日(水) 08:30 〜 12:00 育種・遺伝 (オンライン)

座長:山崎 武志(農研機構北農研)、馬場 俊見(日ホ北支局)、萩谷 功一(帯畜大)、井上 慶一(家畜改良セ)、西尾 元秀(農研機構畜産部門)、荒川 愛作(農研機構 畜産研究部門)

[II-15-14] 牛脂肪交雑の客観的評価に関するAUS-MEATの認証試験結果について

*口田 圭吾1、小峰 央志2、坂口 洋一2、鹿野 淳2、Aaron van den Heuvel3、Matt McDonagh3 (1. 帯畜大畜産、2. MIJ labo、3. 豪州和牛協会)

【目的】AUS-MEATは豪州の食肉格付機関であり、格付機械の認証も行っている。MIJ-30カメラシステムは豪州などですでに利用されている機械格付システムであるが、世界で初めてAUS-MEATの脂肪交雑(MS)評価(0~9+)認証を取得できたので報告する。【方法】認証試験では、画像と格付が揃った873頭分のデータを得た。屠畜後、12-13肋骨間が切開され、3台のMIJ-30カメラにより同じ枝肉に対して3回のロース芯横断面の撮影がなされた。画像は、MIJクラウドデータベースに転送され、自動的にロース芯輪郭抽出、MSの判定がなされた。その際、輝度のムラを調整した画像を判別分析法により2値化し脂肪面積割合を算出した。【結果】自動判定に要する時間は、アップロードする時間も含め、100頭で2分10秒程度であった。3台のカメラから判定されたMSの平均は3.31、3.16および3.28であった。それぞれのカメラの3回の試行間で判定されたMSの差は平均0.2であり、その差は小さかった。複数の熟練格付員による平均MSとの差が±1以内であった割合は、3台のカメラでそれぞれ91.1、93.7および91.1%であった。熟練格付員のMSを4段階に分類しそれぞれの±1以内率を調査したところ、MSの低いグレードから97.4、89.1、90.7および93.7%となり、広い範囲で一定の精度であることが確認できた。