日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

2. 遺伝・育種

育種・遺伝2

2021年9月15日(水) 12:40 〜 14:40 育種・遺伝 (オンライン)

座長:岡村 俊宏(農研機構畜産部門)、増田 豊(酪農大農食環境)、谷口 雅章(農研機構畜産研)

[II-15-22] デュロック種集団における筋線維型組成と産肉・肉質形質との遺伝的関係

*伊藤 大河1、古川 了一1、水野谷 航2、須田 義人3、木全 誠4、富山 雅光4、小川 伸一郎1、鈴木 啓一1、佐藤 正寛1、上本 吉伸1 (1. 東北大院農、2. 麻布大獣、3. 宮城大、4. シムコ)

【目的】筋線維中の遅筋型筋線維と速筋型筋線維の存在比である遅筋型筋線維割合(MF)は、豚肉中の化学成分含量との望ましい関係が報告されており、肉質形質の新規改良指標として期待される。本研究では、デュロック種集団におけるMFの遺伝的パラメーターを推定することで、産肉および既存の肉質形質との遺伝的関係を調査した。【方法】シムコにて、2014年から2020年の間に供試されたデュロック種集団を用いた。産肉形質を有する雌豚2184頭のうち既存の肉質形質を有したのは654頭であり、さらにそのうち474頭について、ロース肉のMFをSDS-PAGE法により測定した。各形質の遺伝率の推定には単形質アニマルモデルを、形質間の遺伝相関の推定には2形質アニマルモデルを用いた。【結果】MFの平均値は7.4%、標準偏差は2.6%であり、MFの遺伝率は0.22と推定された。MFと産肉形質との遺伝相関は、ロース芯面積では、-0.39と好ましくない中程度の値が推定され、一日平均増体重および背脂肪厚では0.14および0.21と低い値が推定された。MFと既存の肉質形質との遺伝相関について、ドリップロス、クッキングロス、筋肉内脂肪含量およびテンダーネスで、絶対値が0.01から0.20と低い値が推定された。