日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理1

2021年9月15日(水) 08:40 〜 12:00 形態・生理 (オンライン)

座長:小笠原 英毅(北里大獣医)、室谷 進(農研機構畜産部門)、松崎 正敏(弘前大農学生命)、小林 謙(北大院農)、磯部 直樹(広大院生物圏)、鈴木 裕(北大院農)

[IV-15-11] 核酸の経口投与がヤギの免疫グロブリン産生能に及ぼす影響

*村田 光平1、磯部 直樹1、新居 隆浩1、吉村 幸則1、上野 和俊2 (1. 広島大学大学院統合生命科学研究科、2. イーアニマル)

【目的】 感染性の疾病は抗体を利用して予防することが重要である。抗体産生細胞へと分化するB細胞の増殖には核酸が必要となるが、体内で合成される核酸だけでは不十分で、補給することが必要と考えられる。そこで、本実験では核酸の経口投与がヤギの免疫グロブリン産生を増強するか調べた。 【方法】 健康な子ヤギ14頭(トカラヤギ8頭,シバヤギ6頭,7~12週齢,)を2区に分け、核酸区には3週間毎日核酸1 g(乾燥酵母粉末)を経口投与し、対照区には投与しなかった。投与期間中週2回採血を行い、血漿中のIgA、IgG、Interleukin-5(IL-5, IgA産生促進作用)濃度、DNA量を測定した。 【結果】  投与開始14および18日後における核酸区のIgA濃度は対照区のそれらよりも有意に高い値を示した。核酸区のIgG濃度は7、11および18日後において対照区のそれらよりも有意に高い値を示した。しかし、IL-5濃度及びDNA量には両区間に有意な差は見られなかった。以上のことから、核酸の経口投与によって免疫グロブリン産生が増強されることが示され、これはBリンパ球の増殖によることが示唆された。