日本畜産学会第129回大会

講演情報

口頭発表

5. 畜産物利用

畜産物利用2

2021年9月15日(水) 13:00 〜 14:30 畜産物利用 (オンライン)

座長:竹田 志郎(麻布大獣医)、重盛 駿(信州大農)、周 冰卉(東北大院農)

[V-15-24] 二成分性バクテリオシン”ガセリシンT”のGatAにおけるGxxxG motifの部位特異的改変とその抗菌活性

*高 升1、安田 成美2、松本 拓哉1、齋藤 朱音1、渡邉 莉帆1、増田 哲也1,2、川井 泰1,2 (1. 日大生資科、2. 日大院生資科)

【目的】Lactobacillus gasseriが生産する二成分性バクテリオシンのガセリシンT(GT:GatA、GatX)は、分子内に点在するGxxxG motifを介して抗菌活性を提示すると推定されている。これまでに当研究室ではGxxxG motifの改変によるGTの抗菌活性および抗菌スペクトルの変化について検討を行なってきた。本研究では、GatAに3箇所存在するGxxxG motifのG(Glycine)残基を単独または両方をL(Leucine)に置換し、抗菌活性値の変化について検討を行なった。【方法】GT野生型発現株および作製したGxxxG motif改変株由来の各GT培養上清について、Lb. delbrueckii subsp. bulgaricus JCM 1002T pSYE2を指標菌とした寒天拡散法により抗菌活性値を測定し、その増減率を算出した。【結果】GT野生型発現株の抗菌活性値は3,938 AU/mLであり、GatAの3箇所に存在する各GxxxG motif単独および同時改変発現株において、GT野生型発現株と比較して1/32に低下した(123 AU/mL)。以上の結果から、GatAのGxxxG motifにおける全G残基が位置に関係なくGT抗菌活性の発現に関与しており、全てのGxxxG motifは抗菌活性発現とその増強の役割を担うことが明らかになった。