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[I-16-07] 乾乳牛へのルーメン保護トリプトファン給与が乳生産性に及ぼす影響
【目的】乾乳牛は短日条件下で乾物摂取量(DMI)および分娩後の乳量が増加する.これにはメラトニン(MEL)が関与している.本試験はMEL前駆物質であるトリプトファン(Trp)に着目し,夏季乾乳牛へのルーメン保護Trpの添加給与が乳生産および栄養代謝に及ぼす影響を検討した.【方法】乾乳後期牛43頭を用い, 6~10月に夜間無照明のフリーバーン牛舎で実施した.処理区は乾乳後期に賦形剤60g/日を朝夕にトップドレスで等分給与する対照区(n=18)とルーメン保護Trpを120g/日(Trp:54g/日)給与する試験区(n=25)を設けた.採血は分娩予定21,14,7日前に行った.【結果】試験区の乾乳後期のDMIは分娩1日前に対照区と比較して低値を示す傾向にあった.乾乳後期の血漿Trpおよび血清セロトニン濃度は両区に差がなかったが,試験区の血漿プロラクチン(PRL)濃度は分娩7日前に対照区と比較して高値を示す傾向があり,日内変動では日没2時間後に試験区で高値を示す傾向にあった.試験区の血漿MEL濃度は分娩14日前に対照区と比較して高値を示した.分娩後の乳量は両区に差はなかったが,空胎日数は試験区で短くなる傾向にあった.以上のことから,乾乳牛へのルーメン保護Trpの給与は内分泌および繁殖成績に影響するが,乳生産には影響しない可能性が考えられた.