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[I-16-11] 給餌刺激がヤギの血中代謝物の日内変動に及ぼす影響
【目的】時間栄養学の家畜生産への応用は、飼料効率の向上に繋がると期待されるが、前胃に発酵槽を持つ反芻動物の生体リズムに対する給餌刺激の効果は不明な点が多い。129回大会では、給餌時刻を遅延させると、ヤギの活動量や血糖値のリズムが後退することを示した。本研究では、引き続き、同一の光条件下で給餌時刻や回数を変えることで、給餌刺激がヤギの血液性状の日内変動に及ぼす影響について調査した。【方法】シバヤギ去勢雄4頭を単房(12時間明期:12時間暗期の明暗周期,室温:25度)に収容し、維持量のヘイキューブを夕方1回(夜給餌区)、または朝夕2回(2回給餌区)、朝1回(朝給餌区)、明期の無作為の時刻に1回(ランダム給餌区)給与した。各区2週間の馴致期間を設けた後、グルコースセンサー(FreeStyleリブレPro, Abbot)を装着し、血糖値の日内変動を記録した。また、試験開始3週間後に4時間おきに計7回採血を行い、血清中のケトン体,T-cho,NEFA,BUNの濃度を測定した。【結果】血糖値の周期は区間で差はなかったが、位相は朝給餌区に比べて夜給餌区で後退した。ケトン体およびT-cho,NEFA,BUNの濃度は、給餌条件によって日内変動のパターンが有意に変化した。ランダム給餌区における総ケトン体濃度の日内変動は朝給餌区のパターンと類似していたが、振幅が大きくなり、体内時計の乱れが示唆された。