日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理2

2022年9月16日(金) 13:30 〜 15:40 Zoom会場4 (オンライン)

座長:松崎 正敏(弘前大農学生命)、村井 篤嗣(名大院生命農)、磯部 直樹(広大院生物圏)、小笠原 英毅(北里大獣医)

13:50 〜 14:00

[IV-16-21] 核酸製剤の経口投与がワクチン接種後の抗体産生に及ぼす影響

*村田 光平1、上野 和俊2、新居 隆浩1、鈴木 直樹1、津上 優作1、磯部 直樹1 (1. 広島大学院 統合生命科学、2. (株)イーアニマル)

【背景及び目的】 核酸が免疫担当細胞の抗体産生能へ及ぼす影響を検討するために、核酸製剤をヤギに経口投与した後ワクチンを接種し抗体産生量を調べた。 【材料及び方法】 健康な子ヤギを2区に分け、処理区には核酸製剤(酵母由来)1 gを3週間(実験1)および6週間(実験2)毎日経口投与し、対照区には投与しなかった。実験1では両区共に核酸投与開始3日後に牛下痢5種混合ワクチンを筋肉内に接種し、実験2ではさらにその3週間後に同ワクチンを再度接種した。最終ワクチン接種3週間後まで週に2回採血し、血漿中のワクチン特異的IgGおよびIgM、総IgG濃度を測定した。また試験終了後、脾臓および骨髄を採取し、PCNA(細胞増殖マーカー)陽性細胞率を調べた。 【結果及び考察】 (実験1)血漿中ワクチン特異的IgG濃度は処理区で有意に高くなったが、ワクチン特異的IgM濃度は両区間に差はなかった。脾臓と骨髄でのPCNA陽性細胞率は処理区が高い傾向を示した。 (実験2)血漿中ワクチン特異的IgG濃度は両区とも2回目の接種後から増加したが、両区間に差はなかった。ワクチン特異的IgM濃度は両区で1および2回の接種後に増加し、処理区の方が対照区よりも高かった。以上の結果から、核酸製剤の投与によりワクチン接種後の抗体産生が増強されると推察された。