日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

4. 形態・生理

形態・生理2

2022年9月16日(金) 13:30 〜 15:40 Zoom会場4 (オンライン)

座長:松崎 正敏(弘前大農学生命)、村井 篤嗣(名大院生命農)、磯部 直樹(広大院生物圏)、小笠原 英毅(北里大獣医)

14:10 〜 14:20

[IV-16-23] ニワトリヒナの代謝調節機構における間脳ヘキソキナーゼおよびグルコキナーゼの鶏種間比較

*白石 純一1、大柿 弘太朗1、市川 隆久2、巽 俊彰3、太田 能之1、豊後 貴嗣4 (1. 日本獣医生命科学大学 応用生命科学部、2. 三重県畜産研究所、3. 三重県中央家畜保健衛生所、4. 岡山理科大学 獣医学部)

【目的】本研究ではニワトリヒナの摂食行動およびエネルギー代謝調節における脳の糖代謝調節機構を理解することを目的として,解糖系の律速酵素の1つであるヘキソキナーゼ(HK)およびグルコキナーゼ(GK)のエネルギー状態に伴う変動について鶏種間で比較して検討した。【方法】肉用鶏(チャンキー:CH)および日本鶏(八木戸:YKD)の種卵を孵化させた。実験1:孵化後7日齢の両鶏種の間脳,心臓,肝臓,浅胸筋,十二指腸,腎臓,膵臓,縫工筋を採取して,HK I~IIIおよびGKの遺伝子発現量をqPCR法で相対定量した。実験2:孵化後6日齢において18時間の絶食処置を施し,再給餌後30分および60分の両鶏種ヒナの間脳を採取した。採取した間脳から細胞質分画を精製し,HK I~IIIおよびGK活性を吸光法で測定した。【結果および考察】HK I~IIIは解析した全ての器官で遺伝子の発現が確認でき,GKについては,主要な発現器官である肝臓以外にも,間脳や膵臓で比較的高い発現量が確認できた。絶食再給餌後の間脳における酵素活性についてみると,HK I~IIIで鶏種差がみられ,YKDのものはCHのものより高い活性値であった。 以上のことから,ニワトリヒナのエネルギー状態の変化に伴い,間脳のHKは変動すること,さらにその活性調節は,摂食行動やエネルギー代謝調節機構の相違とも深く関連していることが推察された。