日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

2022年9月16日(金) 13:00 〜 17:00 Zoom会場6 (オンライン)

座長:杉野 利久(広大院生物圏)、矢用 健一(農研機構 畜産研究部門)、石川 志保(酪農学園大学)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、阪谷 美樹(農研機構畜草研)、竹田 謙一(信州大学)、黒川 勇三(広島大学)、檜垣 彰吾(農研機構)

15:00 〜 15:10

[VI-16-14] 乳牛糞尿由来の高水分堆肥化物の発酵温度および悪臭を改善する方法の検討

*水木 剛1、白石 誠1 (1. 岡山農セ畜)

【目的】誤って高水分に水分調整したため嫌気発酵した堆肥化物は強い不快臭を発して悪臭苦情の原因となるが、その再処理方法に関する知見は少ない。そこで、水分の再調整のみでその後の堆肥化で発生する悪臭を抑制できるタイムリミットを把握するとともに、冬季に嫌気発酵した堆肥化物の再処理方法について検討した。【方法】(試験1)夏季および冬季に乳牛の糞尿混合物をオガクズで水分80%に調整して容積約10 Lの小型堆肥化実験装置で嫌気発酵させた後、1、2または3日後にオガクズで水分70%に再調整した場合の発酵温度および悪臭の発生状況などを調査した。(試験2)試験1と同様の方法により、冬季に7日間嫌気発酵させた後、水分70%に再調整する際に堆肥化物の重量比5%のオガクズ、戻し堆肥または米ぬかを追加混合して調査した。【結果】(試験1)夏季および冬季とも、水分再調整までの経過日数にかかわらず、適切な水分調整が行われていた場合と同等の発酵温度のピークが得られた。ただし、再調整が2日目以降になった場合、1日目と比較してその後のアンモニアガス濃度および臭気指数相当値が高く推移した。同様に、再調整から14日後の無機態窒素に占めるアンモニア態窒素の割合とpHが高かった。(試験2)オガクズまたは戻し堆肥と比較して、米ぬかを追加混合したものは発酵温度のピークが14℃以上高くなり、アンモニアガス濃度も5 ppm未満に抑制された。