日本畜産学会第130回大会

講演情報

口頭発表

6. 管理・環境

管理・環境

2022年9月16日(金) 13:00 〜 17:00 Zoom会場6 (オンライン)

座長:杉野 利久(広大院生物圏)、矢用 健一(農研機構 畜産研究部門)、石川 志保(酪農学園大学)、森田 茂(酪農学園大農食環境)、阪谷 美樹(農研機構畜草研)、竹田 謙一(信州大学)、黒川 勇三(広島大学)、檜垣 彰吾(農研機構)

15:50 〜 16:00

[VI-16-19] コンピュータビジョンによる鶏群活動量の推定

*嶋崎 知哉1、井関 博1、檜垣 彰吾1 (1. 農研機構動衛研)

【目的】コンピュータビジョンの一手法である背景差分法により、鶏群活動量の推移を評価可能か検討した。【方法】健康な白色レグホン種の鶏(5週齢)を用いた。まず、鶏群活動量の評価に適した動画撮影方向と時期(明期と暗期)を明らかにするため、2つの飼育ケージ(高さ・幅・奥行各80 cm)にそれぞれ5羽と7羽を入れ、ケージの上方と側方から動画を撮影・解析した。次に、感染症発生時の鶏群活動量の低下を検出可能か検討するため、トリアデノウイルスによる感染試験を行った。すなわち、3つの飼育ケージにそれぞれ5羽を入れ、非感染群・筋肉内接種群・腹腔内接種群とし、接種日から4日間、ケージ上方から動画を撮影・解析した。この間、1日1回、目視による鶏群活動スコアの評価を行った。なお、動画はグレースケール化・固定フレームレート化し、背景差分法により動体部分を抽出後、フレーム毎に動体ピクセル数が関心領域に占める割合(ピクセル比)を算出、1時間毎の平均値として解析した。【結果】鶏群活動量の評価には、ケージ上方から撮影した明期の動画が適していることが示唆された。そこで、感染試験では、この条件下の動画を用いて3群の比較を行った結果、接種後2日目以降のピクセル比は、非感染群>筋肉内接種群>腹腔内接種群の順であり、目視による評価と一致した。以上より、背景差分法を用いることで、鶏群活動量の推移を評価可能であることが示された。