日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅰ

2023年9月19日(火) 13:30 〜 14:50 第II会場 (大講義室)

座長:青木 康浩(東京農工大学)、福森 理加(酪農学園大学)

14:10 〜 14:20

[II-19-05] ホルスタイン種哺育牛における体高の発育と血清アルカリフォスファターゼ活性との関係

*新宮 裕子1、上田 宏一朗2、若槻 拓司1、松井 義貴1、櫻井 駿平2、細字 晴仁1、昆野 大次1 (1. 道総研酪農試、2. 北大院農)

【目的】幼若動物において血清アルカリフォスファターゼ(ALP)は骨の成長と関連があり、成牛よりも育成牛で活性が高く、育成牛の体高の発育を予測できる可能性を持つ。本研究では、哺育牛においてALPによる1か月後の体高予測の可能性を検討した。 【方法】哺育育成預託牧場において5月から11月まで各月2回、哺育牛舎に滞在した哺育雌牛の体高を測定し、頸静脈から採血を行った。1回目の測定が32日齢以下の112頭を抽出し、約1か月後の体高の日増加量を算出した。自動分析装置により血清ALP活性値を測定し、約1か月間の変化量を算出した。目的変数を日体高増加量および1か月後の体高、説明変数を1回目および1か月後のALP活性値、ALP変化量、1回目の日齢および体高とし、ステップワイズ法による重回帰分析を行った。 【結果】1回目および1か月後のALP活性値はそれぞれ1101±442U/L、857±348U/Lであった。日体高増加量は、1回目のALP活性値が高いと高まる傾向を示した(自由度調整済みR2=0.0824、P<0.01)。1か月後の体高は、1回目のALP活性値および体高が高いと高まる傾向を示した(自由度調整済みR2=0.5672、P<0.01)。哺育牛において1か月後の体高を予測するためにALP活性値は利用できる可能性が示唆された。 生研支援センター「イノベーション創出強化研究推進事業」の支援を受けた。