11:20 〜 11:30
[II-20-15] 乳牛移行期における糞便のムチンの有無が糞便性状、生産性および血液性状に及ぼす影響
【目的】酪農現場では、糞便中に確認されるムチンの有無が後腸の過剰発酵を評価するツールとして用いられているが、糞便pH、血中炎症マーカー、ウシの健康度や生産性との関係性は明確でない。そこで本研究では分娩前後の乳牛における糞便および血液性状を測定し、乳生産および疾病割合との関係について評価を行った。【方法】2戸の酪農場で飼育されているホルスタイン雌牛39頭の糞便サンプルを分娩前1週間から分娩後2週間まで経日的に採取し、糞便スコア、pH、ムチンの有無を評価した。また、BCS、RFS、衛生スコア、膣温も採材と同様にスコアリングを行い、一部のウシからは血液を採取した。サンプリング期間で糞便を直腸から採取した際に粘液性のムチンが一度でも確認された場合をM牛(n=28)と判断し、ムチンが検出されなかったC牛(n=11)との比較を行った。【結果】糞便性状・消化スコアについては群間に差は認められなかったが糞便pHはM牛がC牛と比較して低かった。血液性状に群間の差は認められなかった。初回乳検時の乳量はM牛がC牛と比べて高い傾向が認められた。疾病については子宮内膜炎の発症割合はC牛と比べてM牛で低く、潜在性ケトーシス発生割合はC牛と比べ、M牛で高い傾向が認められた。