日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅱ

2023年9月19日(火) 13:30 〜 14:50 第III会場 (1・2番講義室)

座長:豊後 貴嗣(岡山理科大学獣医学部)、白石 純一(日本獣医生命科学大学)、三谷 朋弘(北大FSC)

14:30 〜 14:40

[III-19-07] ガックフルーツ粉末給与が飼料用アメリカミズアブ幼虫の生産量とカロテノイド蓄積に及ぼす影響

*林 義明1、本田 真己2、Pawat Seritrakul3、Krissana Ruang-Rit3、Pattaraporn Poommarin3 (1. 名城大農、2. 名城大理工、3. Silpakorn大農畜)

【目的】近年、飼料用タンパク質源として昆虫が注目され、高付加価値な昆虫の開発が求められる。そこで、アメリカミズアブ(BSF)幼虫餌料にカロテノイドを多く含むガックフルーツ粉末(GF)を混合し、幼虫の生産量とカロテノイド蓄積に及ぼす影響を調べた。【方法】BSF用基礎餌料のみの対照区(T1)、基礎餌料にGFを2.5%(T2)または5.0%(T3)含む試験区を設定した。各区の餌料にBSF卵を混合し、15日後の幼虫1匹当たり重量、幼虫総重量、排泄物総重量を測定した。餌料、幼虫、排泄物でのカロテノイド含量、リコピンとβカロテンのシス型異性体比率を測定した。【結果】幼虫1匹当たり重量に差はなく(P>0.05)、T3はT1とT2より幼虫総重量が重く、排泄物総重量が軽かった(P<0.05)。幼虫のリコピンとβカロテンの濃度はT3が最高、T1が最低であり(P<0.05)、各濃度は餌料より高値を示した。リコピンのシス型異性体比率は餌料と比べて幼虫で同等、排泄物で高値を示し、T2がT3より高かった(P<0.05)。βカロテンのシス型異性体比率は幼虫、排泄物ともに餌料より高値で、幼虫ではT2とT3がT1より低かった(P<0.05)。餌料へのGF添加による幼虫の生産量増加、リコピンとβカロテンの蓄積、シス型異性体比率の変化から、飼料用BSF幼虫の高付加価値化の可能性が示された。