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[III-19-08] チャイロコメノゴミムシダマシの形態変化が成分に与える影響
【目的】ミールワームとして爬虫類や鳥類用の飼料に広く用いられているチャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)は完全変態を行う昆虫であり、卵、幼虫、蛹、成虫の順に形態を変化させる。チャイロコメノゴミムシダマシは幼虫であるミールワームの状態で給与される場合が多いが、大型の爬虫類や鳥類用の飼料として、蛹や成虫といった状態で給与される場合もある。ミールワームの飼料化に関連する一連の研究の中で、今回の試験ではチャイロコメノゴミムシダマシの形態変化が一般成分および脂肪酸組成に与える影響について検討した。【材料および方法】市販ミールワームのうち、目視で活力のある個体のみを選抜し供試した。試験では、各成長過程まで室温で飼育し、幼虫、蛹および成虫それぞれ200個体を得た。測定項目は、各成長過程の一般成分(水分、タンパク質、脂質、炭水化物および灰分含量)および脂肪酸組成とした。【結果および考察】水分およびタンパク質含量は、蛹および成虫に比べ幼虫が有意に低く、脂質および炭水化物含量は、蛹および成虫に比べ幼虫が有意に高かった。不飽和脂肪酸含量は、いずれの成長過程においても有意な差が認められ、蛹が最も高く、次いで成虫、幼虫の順であった。これらのことから、チャイロコメノゴミムシダマシは、成長過程に伴い一般成分および脂肪酸組成が変化することが示唆された。