日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅱ

2023年9月20日(水) 13:00 〜 16:00 第III会場 (1・2番講義室)

座長:小櫃 剛人(広島大院生物圏)、八代田 真人、中辻 浩喜(酪農学園大学)、真貝 拓三(農研機構畜産研究部門)、上田 宏一郎(北海道大学大学院農学研究院)、大谷 喜永(明治飼糧(株))

14:40 〜 14:50

[III-20-25] 肉用牛でのスニファー法における測定前の採食時間を考慮した日平均メタン/二酸化炭素比の推定

*及川 康平1、福馬 敬紘2、小林 純子2、新出 昭吾2、寺田 文典1、野中 最子1、神谷 裕子1、鈴木 知之1 (1. 農研機構畜産部門、2. 広島総技研畜技セ)

【目的】肉用牛では個別飼槽訪問時にスニファー法により測定した呼気中メタン(CH4)/二酸化炭素(CO2)濃度比の日平均値に基づくCH4排出量推定が試みられている。呼気中CH4濃度は測定前の採食により変化することから、本研究では日平均CH4/CO2比推定のための基礎的検討として測定前の採食時間がCH4/CO2比に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】黒毛和種去勢牛3頭から個別飼槽訪問時の呼気中CH4/CO2比とドアフィーダーの開閉状況をそれぞれ7日間測定した。ドアが開いた時間を採食時間とみなし、目的変数をCH4/CO2比、説明変数を測定から3時間前までの1時間ごとの採食時間とした回帰式を個体ごとに作成した。個体ごとに求めた0-24時までの1時間ごとの採食時間平均値を、作成した回帰式に代入することで、1時間ごとCH4/CO2比推定値を得た。【結果】CH4/CO2比測定0-1および1-2時間前の採食時間の回帰係数は全個体で正の値であり、測定前の採食時間が長いほどCH4/CO2比が高くなることが確認された。測定したCH4/CO2比の単純平均値(0.061)はモデルにより推定したCH4/CO2比の日平均値(0.585)よりも高い傾向にあった(P=0.07、n=3)。これらの結果より、偏りの少ないCH4/CO2比日平均値推定のために測定前の採食時間情報を利用できる可能性が示された。