日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

1. 栄養・飼養

栄養・飼養Ⅱ

2023年9月20日(水) 13:00 〜 16:00 第III会場 (1・2番講義室)

座長:小櫃 剛人(広島大院生物圏)、八代田 真人、中辻 浩喜(酪農学園大学)、真貝 拓三(農研機構畜産研究部門)、上田 宏一郎(北海道大学大学院農学研究院)、大谷 喜永(明治飼糧(株))

15:20 〜 15:30

[III-20-29] 簡易・安価なメタン測定技術の技術開発~ガス検知器による測定~

*田邉 学1、澤戸 利衣2、寺田 文典2、高須賀 晶子1、芳山 公一1、野嶽 一将1、中出 浩二1、野中 最子2 (1. 伊藤ハム米久ホールディングス株式会社、2. 農研機構畜産部門)

【目的】ウシ呼気中のメタン(CH4)と二酸化炭素(CO2)の測定には高精度のガス分析機が用いられるが、高価なため導入が容易でない.そこで安価で操作が容易なガス検知器による測定の可能性を検討した.【方法】ガス検知器にはCO2は赤外線式ガス検知器、CH4は接触燃焼式ガス検知器を用い、スニファー法により採取した呼気ガスを半導体レーザー分光式ガス分析機と並行して測定した.2022年12月、2023年2月、4月の各1週間、繋ぎ牛舎においてホルスタイン種乳用牛4頭の呼気ガスを、毎日9~15時の間、4分/頭でガス流路を切り替えながら繰り返し測定した.CO2検知器は10秒平均値をログ1秒毎のデータに変換し、CH4検知器は時刻のズレを補正した後、ガス分析機の値と比較した.【結果】分析計間の相関係数(R)は、CO2 0.96~0.98、CH4 0.93~0.99であった.各個体の日平均CO2およびCH4濃度、そしてCH4/CO2比の分散は分析計間で差がなかったが、平均値には差が認められた.ガス分析機に対する回帰式の係数はCO2が1.075、CH4が0.813、CH4/CO2比が0.739となり、ガス検知器ではメタン産生量を過大評価してしまうものの、相対的な評価には利用可能であると考えられた.