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[IIIYS-19-06] 鶏肉の遊離アミノ酸とアミノ酸関連物質含有量に関与するQTLsは超優性を示す
[目的]鶏肉においてアミノ酸は味を決める要素の一つであり、大シャモやナゴヤといった日本鶏の品種はブロイラーに比べて食味、食感や風味が高く評価されている。本研究では、大シャモ雄と白色プリマスロック雌間F2世代 279個体を用いて遊離アミノ酸とアミノ酸関連物質含有量に関する量的形質遺伝子座(QTLs)を探索した。[方法] 全自動アミノ酸分析機を用いて、F2 279個体のムネ・モモ肉に関する遊離アミノ酸とアミノ酸関連物質含有量を測定した。血液からゲノムDNAを抽出後、RAD-seq解析によりSNPマーカーを開発した。マーカー連鎖地図の作製後、R/qtlソフトウェアの単純区間マッピング法によりゲノムワイド5-10%有意水準でQTLsを検出した。[結果] RAD-seq解析の結果、3261個のSNPマーカーを開発し、39の連鎖群を作製した。QTL解析の結果、5%有意水準で、遊離アミノ酸とその関連物質含量に関わる3個のQTLsを第3染色体と第4染色体上に検出した。10%有意水準で4個のQTLsを第4染色体と第6染色体上に検出した。検出した7個のQTLsのうち5個という高い割合で超優性QTLsを検出した。本研究成果は、鶏肉食味の向上についてF1交雑種利用の重要性を示唆した。