日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

3. 繁殖・生殖工学

繁殖・生殖工学

2023年9月20日(水) 13:00 〜 15:10 第IV会場 (3番講義室)

座長:小林 仁(宮城大学)、平山 博樹、唄 花子(北海道大学)、三浦 亮太朗(日本獣医生命科学大学 )

13:10 〜 13:20

[IV-20-14] 卵巣顆粒層細胞による細胞外小胞の取り込み機構の研究

*杉浦 幸二1、江連 泰知1、松野 雄太1、藤井 渉1、内藤 邦彦1 (1. 東大院農生命)

【目的】エクソソームなどの細胞外小胞(Extracellular vesicles: EVs)は、哺乳類卵巣機能に重要な役割を果たす。しかし、その卵巣細胞への取り込み機構は不明である。本研究はマウス卵巣の顆粒層細胞をモデルに、EVsの取り込み機構解明を目的とした。また、卵巣発達に重要な卵由来の因子の影響についても解析した。【方法】マウス線維芽細胞株の培養上清よりEVsを回収して用いた。顆粒層細胞の単層培養へ、蛍光標識したEVs及び各種エンドサイトーシス基質(トランスフェリン、コレラトキシンB)を添加し、取り込みを共焦点レーザー顕微鏡で解析した。また、それらの取り込みに対するエンドサイトーシス阻害剤(PitStop2、Genistein)、卵由来因子(BMP15、GDF9、FGF8)の影響を解析した【結果・考察】EVsの取り込みは添加濃度依存的に増加し、クラスリン介在性エンドサイトーシス(ClaME)およびカベオラ介在性エンドサイトーシス(CavME)の阻害剤によって抑制された。さらに、卵由来因子はEVs及び、CavME基質であるコレラトキシンBの取り込みを促進したが、ClaME基質のトランスフェリンの取り込みに影響しなかった。以上より、顆粒層細胞はClaMEおよびCavMEを介してEVsを取り込むこと、卵由来因子はCavMEを促進してEVsの取り込みを促進することが示唆された。