日本畜産学会第131回大会

講演情報

口頭発表

3. 繁殖・生殖工学

繁殖・生殖工学

2023年9月20日(水) 13:00 〜 15:10 第IV会場 (3番講義室)

座長:小林 仁(宮城大学)、平山 博樹、唄 花子(北海道大学)、三浦 亮太朗(日本獣医生命科学大学 )

13:40 〜 13:50

[IV-20-17] 多血小板血漿(PRP)投与によるウシの卵胞活性化の試み

*小林 仁1、森本 素子1、横尾 正樹3、河村 和弘2 (1. 宮城大学、2. 順天堂大学、3. 秋田県立大学)

【目的】卵巣内には、原始卵胞以外にも発育途中または休眠中の1次卵胞や2次卵胞が多数存在している。これら多数の初期卵胞を人為的に発育促進(卵胞活性化)して採卵できれば、優良形質を持つ牛の増産が図れるだけでなく、雌側からの育種改良にもつながることが期待される。血小板血漿(PRP)は、多くの成長因子を含有し、未熟卵胞の発育を促進する成長因子も多く含まれることから、ヒトではPRPの卵巣注入による卵胞活性化が行われている。本研究では、ウシ卵巣への自家PRP注入を試み、PRPが卵胞発育を促進するかどうかを、生体を用いて検証する。【方法】抗凝固剤を入れた注射筒で経産牛4頭から末梢血20mlを採取し、PRP調製キット(Condensia KYOCERA)のマニュアルに従ってPRP 1mlを分取した。PRP濃度を血球計算板で測定したのち、超音波ホモジナイザー(Sonics Vibra VCX130)を用いてPRPの活性化を図った。活性化したPRPは超音波画像で卵巣を確認しながら片側卵巣に採卵針を用いて3~4回に分けて注入した。卵胞数の観察はPRP注入12週前から、週1回、超音波診断装置を用いて行い、併せて採血も行った。【結果】供試した血小板の濃度は3.3~6.5X108個/mlであった。PRP注入後の卵胞数および血中ホルモン濃度(エストロジェン、プロジェステロン)濃度については現在、分析中である。