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[IV-20-19] ホルスタイン種雌牛における育成期の血中抗ミューラー管ホルモン濃度動態
【目的】牛における出生後から性成熟までの血中抗ミューラー管ホルモン(AMH)濃度動態の生理学的意義は不明である。肉牛において、育成期の血中AMH濃度は一過性に上昇することが報告されているが、乳牛を対象とした報告はない。本研究では、乳牛における育成期の血中AMH濃度動態を解析し、その動態が性成熟後の血中AMH濃度に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。【方法】ホルスタイン種雌牛43頭について、0、1、4および7か月齢ならびに性成熟後(約10か月齢)の血中AMH濃度を測定した。0か月齢の血中AMH濃度の3分位点により3群に分類し、AMH変化率(vs.0か月齢時の血中濃度)動態を比較した。また、各群において、4か月齢時の変化率を中央値により2群に分類し、性成熟後の血中AMH濃度を比較した。【結果】血中AMH濃度は出生後に上昇し、4か月齢でピーク値を取り、その後低下した。0か月齢時の血中AMH濃度が低い群は、中程度および高い群よりも性成熟までのAMH変化率は高く推移した(P<0.05)。また、0か月齢時の血中AMH濃度が低い群では、4か月齢時の変化率が大きい場合に、小さい場合と比較して性成熟後の血中AMH濃度は高い傾向を示した(P=0.10)。以上より、出生時にAMH濃度が低い個体では、出生後のAMH濃度の一過性の上昇が起きることで性成熟後のAMH濃度が高まる可能性が示唆された。