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[IV-20-20] 季節繁殖条件下における黒毛和種牛の抗ミューラー管ホルモン濃度と受胎成績の関係
【目的】抗ミューラー管ホルモン(AMH)濃度を黒毛和種繁殖後継牛の選定に利用することを目標に、血中AMH濃度と人工授精(AI)受胎との関係を調査した。【方法】延べ190頭の黒毛和種を用い、3–5月の自然発情後にAIを実施した。4月下旬に採血し、血中AMH濃度を測定した。供試牛はAMH濃度の四分位点に基づき4区分(Q1-4群)し、最もAMH濃度が低いQ1を基準群とした。繁殖期間中の初回授精時の受胎成績とAMH区分との関係は一般化線形混合モデルによって分析し、受胎成績に対するオッズ比(OR)を算出した。受胎に要する時間は生存時間曲線によって評価し、群間の差異はコックス比例ハザードモデルによって分析した。繁殖期間内の受胎に対するハザード比(HR)を算出した。【結果】各群のAMH濃度の中央値は、217、445、660、および1,098 pg/mlであった。Q2-4群のORは、2.7、1.7、および3.6であり、Q2とQ4群はQ1群と比較して初回授精受胎確率が高かった(P<0.05)。Q2-4群のHRは1.5、1.4、および1.8であり、Q4群はQ1群と比較して繁殖期間中に受胎する確率が高かった(P<0.05)。Q1-4群の50%が受胎するまでに要した時間は29、25、27、および16日であった。以上から、AMH濃度が低い場合、AI受胎の確率が低いことが確認された。