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[V-20-07] 日本コウノトリ集団のMHCクラスII領域の次世代シーケンサーを用いたタイピング法の開発
【目的】希少動物の保全では、集団の遺伝的多様性の維持が重要な課題である。我々は、日本コウノトリ集団のMHCクラスII領域の多様性について、始祖26羽が有する52個のハプロタイプのうち43個を同定した。今回、後代個体群を対象としたMHCクラスII多様性の大規模解析に必須である、次世代シーケンサー(NGS)を利用したタイピング法の開発を試みた。【方法】2つのMHC-IIB遺伝子座DABとDBBの各エキソン2を特異的に増幅する1st PCRプライマーおよびNGS用アダプターとインデックス配列を付加するための2nd PCRプライマーを作製した。MHCクラスIIハプロタイプが既知の8個体のゲノムDNAを用いて上記のプライマーによる2段階のPCRを行い、最終PCR産物を等量ずつ混合し、イルミナ社NGS iSeq100にて150塩基のペアエンドシーケンスを実施した。ペアのリードを連結した後、同定済みのDABの14種類のアリルとDBBの10種類のアリルをリファレンスとしてマッピングし、リード数をカウントした。【結果】得られたリードの約30%がマップされ、各個体が有するアリルにマップされるリード数が最も多かった。この結果から、NGSを利用した本方法によりMHCクラスIIの正確なタイピングが可能であることが示された。